「おばあちゃん......」




「孫の大切な物を壊してしまった...最悪!もう来ない、なんて怒鳴って出ていっちゃった...あとからお母さんに聞いたら...昔、孫が小さい頃に私があげたブレスレットだったの...私...気付かなかったわ...そんな昔のもの、あの子がつけてくれてるなんて......」




その時、瞳が揺れて涙がポロッと零れ落ちた。おばあさんは気が付いていないのか、まだ遠くを見ていた。



「だから、明日の誕生日にまた、プレゼントをあげて...仲直りしようと思ったの。...でも、ダメね。最近の子は何が好きなのかわかんないわ...。こんなもの喜んでくれるかしら......」




そう言って、おばあさんが大切そうに持っていた藤紫色のバッグから透明な袋を取り出した。袋の中では金色の三日月型に縁どられたチャームがキラキラと輝いていた。水色のゴムになっているところを見ると、ヘアゴムにもなる。それに、そのまま腕につけてもお洒落なデザインだった。なにより...心が篭っていた。