「ん?あ、杏也〜っ。おはよう。早かったわね!さぁ、こっちへいらっしゃい」


「おはようございます由香さん。朝からお仕事ですか?」


「ええ。とっても大変よ。でもやりがいはあるわ!まぁ...威月が手伝ってくれてもいいのにねぇ。」


なんて言ってぷくっと頬を膨らます由香。そんな由香にやれやれと、ため息をつく威月。


「由香様がお仕事を放っておいて遊びになんて行かれるからでしょう?自業自得ではないですか。それよりも、早くご説明なさいませ。」


「つれないわね。杏也、そこに座って?話、長くなるかもだし。」


そう言ってアンティーク物のソファを指さす。杏也は頷いて腰を下ろした。



「まず、寮生活ってのはいいわね、寮は五人一部屋制でメンバーは各自で決めて寮長に報告ね。杏也のクラスは2-Aで担任は威月だから心配無用よ。⋯⋯⋯」