「ここに座ろうか。」



手前の人がいない場所に座る。電気をつけると仄かな光が包み込んだ。



勉強スペースの反対側にも本棚が沢山並べられており、古典関係の本があるらしい。ふとそちらに目をやるとそこに似つかわしくない可愛らしい女の子が本を探していた。



「杏也くーん?始めるよー?」




恋にそう言われて、机に広げられた教科書に目を移した。


「ここの年表は覚えてた方がいいと思う...。あとこの人の名前ね。」


伊織が教えていた国語は一通り終わったので次は杏也が歴史を教えていた。



「うーん...難しいなぁ......」