そして翌日。
我が家に現れたのは、あの高居先生だった。


「あっ…」


玄関先で固まる私。


「おや、奇遇ですね」


「なな、なにしてらっしゃるんですか!?」


「何って、お仕事ですよ」


「えっ!?何??果奈、知り合い!?」


お母さんが驚く。


「いや、あの、まあ」


この年でギックリしたとも言いにくい。


「遺伝、ですかね??気を付けた方がいいですよ??癖になりますから、腰は」


相変わらずのとろけそうな笑顔で、サラッとバラされた。


「ああっ!!言わないでくださいよっ!!」


薄毛やら白髪やら病気の類いは、隔世でも遺伝というものがあるらしい。