月曜日に郁弥に絡まれて以来、何事もなく金曜日になった。
郁弥が副社長の怒りを買って、地方支社に飛ばされるというのはホントらしい。
検品課でもその話をしてる同僚がいて、「自業自得」だと言われていた。
「あちこちの取引先の女子に手出してたらしいよ」
「社内でも軽い男っていうウワサだったしね」
「地方支社へ行っても似たようなことするんじゃない?」
「そしたら本社へは暫く戻ってこれないね」
どうやら何も知らないでいたのは私だけだったみたい。
郁弥は相当に軽い男だったんだ。
(あの夏祭りの日に本性見れて正解だった)
ヤンキーとはいえ、谷口に助けられた。
彼とは先週の土曜日以来、ちょこちょこと短いメールを交換してる。
『元気か?』
『まあまあね』
そんな感じの。
(……これって付き合ってるんじゃないよね)
そう思うからこそ聖にも真綾にも話さなかった。
メールを交換してることも一緒に出かけたのもナイショにしてる。
ただ、真綾には服を借りた理由を聞かれて……
『しし…、親戚の結婚式の二次会に呼ばれたの!』
吃りかけてしまった。
真綾は私の吃りには慣れてるから、それをウソだとも思わなかったみたい。
『そう。じゃあまた何かある時は言って。今度は真っ赤なワンピでも貸すわ』
そう言って笑った。
それに顔を引きつらせつつ、ご遠慮申し上げます…と返事した。
郁弥が副社長の怒りを買って、地方支社に飛ばされるというのはホントらしい。
検品課でもその話をしてる同僚がいて、「自業自得」だと言われていた。
「あちこちの取引先の女子に手出してたらしいよ」
「社内でも軽い男っていうウワサだったしね」
「地方支社へ行っても似たようなことするんじゃない?」
「そしたら本社へは暫く戻ってこれないね」
どうやら何も知らないでいたのは私だけだったみたい。
郁弥は相当に軽い男だったんだ。
(あの夏祭りの日に本性見れて正解だった)
ヤンキーとはいえ、谷口に助けられた。
彼とは先週の土曜日以来、ちょこちょこと短いメールを交換してる。
『元気か?』
『まあまあね』
そんな感じの。
(……これって付き合ってるんじゃないよね)
そう思うからこそ聖にも真綾にも話さなかった。
メールを交換してることも一緒に出かけたのもナイショにしてる。
ただ、真綾には服を借りた理由を聞かれて……
『しし…、親戚の結婚式の二次会に呼ばれたの!』
吃りかけてしまった。
真綾は私の吃りには慣れてるから、それをウソだとも思わなかったみたい。
『そう。じゃあまた何かある時は言って。今度は真っ赤なワンピでも貸すわ』
そう言って笑った。
それに顔を引きつらせつつ、ご遠慮申し上げます…と返事した。