郁也の後ろ姿に近寄りながら、これまでのことを反省した。
「郁也くん」
かけた声が震えた。
郁也はくるりと振り返り、一瞬、あ…っと口を開ける。
「ケ、ケイちゃん…?」
瞼をバタつかせ、疑うような顔をした。
「どうしたの。スゴい気合い入ってるね」
呆れるように聞こえるのは、さっきの二人のやり取りが頭の中に残ってるせいだろうか。
「…キ、キレイだよ」
それ、心から言ってる?
「今の……誰?」
耳や頬にキスするなんて、どういう関係なんだ。
「えっ?何のこと?」
しらばっくれるにも程がある。
「さっき一緒にいた子。赤いバラ柄の浴衣着たボブスタイルの女の子」
キュッと唇を噛んだ。
じっと上目使いに見ていたら、郁也が「はっ…」と息を吐いた。
「見られてたのか」
あーあ…と声を漏らされた。
「バレてるんなら仕方ないか」
視線を横に流し、開き直った態度を見せられた。
「向こうが本命。ケイちゃんは場繋ぎみたいなもん」
悪びれる様子もなく言いのける。
「…いつから!?いつからあっちと付き合ってるの!?」
せめて、私よりも後であって欲しい。
なのに、郁也が言った言葉はーーー
「んー?ケイちゃんと同じ頃だったかな。取引先の花見会に誘われて参加したら、彼女の方から告られたんだ」
「郁也くん」
かけた声が震えた。
郁也はくるりと振り返り、一瞬、あ…っと口を開ける。
「ケ、ケイちゃん…?」
瞼をバタつかせ、疑うような顔をした。
「どうしたの。スゴい気合い入ってるね」
呆れるように聞こえるのは、さっきの二人のやり取りが頭の中に残ってるせいだろうか。
「…キ、キレイだよ」
それ、心から言ってる?
「今の……誰?」
耳や頬にキスするなんて、どういう関係なんだ。
「えっ?何のこと?」
しらばっくれるにも程がある。
「さっき一緒にいた子。赤いバラ柄の浴衣着たボブスタイルの女の子」
キュッと唇を噛んだ。
じっと上目使いに見ていたら、郁也が「はっ…」と息を吐いた。
「見られてたのか」
あーあ…と声を漏らされた。
「バレてるんなら仕方ないか」
視線を横に流し、開き直った態度を見せられた。
「向こうが本命。ケイちゃんは場繋ぎみたいなもん」
悪びれる様子もなく言いのける。
「…いつから!?いつからあっちと付き合ってるの!?」
せめて、私よりも後であって欲しい。
なのに、郁也が言った言葉はーーー
「んー?ケイちゃんと同じ頃だったかな。取引先の花見会に誘われて参加したら、彼女の方から告られたんだ」

