ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に

頭をさげる私に部署の人達はアッサリとした態度で別れを告げた。


「お疲れー」

「向こうでも頑張ってね」


「は…はい」


デスクを片付け、ドアを閉める時、囁く声を耳にした。


「いいわねー、部長っていうコネがある人は」

「羨ましいなー」


こんなことを言われる自分になりたかったわけじゃない。
でも、それも受け止めていかないとーー。


(ビクビクしてたら大輔さんの横には立てないもん)


飾らなくても隣に立てる人になるんだ。
時間がかかっても、なれるよう努力するんだ。


(がんばれ…って言われたし…)


ポケット内の言葉を思い出して進んだ。
お城の下働きがシンデレラになろうとしてる。


(滑稽……)


頑張ろうと思うけど逆に不安も募っていく。

アンバランスなまま、私の新しい1日が始まっていったーーー。