ただあの子になりたくて



私もこんなにも演技が下手だったのだろうか。

自分では現実でも劇でも、ヒロインになりきれていると思っていた。

でも、悪癖は治らないらしい。

外見は椿でも、私は性根が脇役なのだ。

こんなチャラくて軽い、拓斗でさえも。

脇役ゆえの必死さは、身に沁みつききっている。

椿になって、何を得意になっていたのだろう。

自分が恥ずかしいほど痛々しい。

そんなことにも気づかないくらい、私はとことん脇役だったというのに。

私は我慢できずに立ち上がる。