呼吸をとめたピエロ


目立つ人間というものは、一挙一動までもが目立つらしい。正直、比較的穏やかな日常を送れている今の自分に拍手を送りたい。



「おーい、鶴。お客さん」


教室の扉側から呼ばれ、舌打ちを打ちそうになりながらも伏せていた体をゆっくりと起こす。

誰だよ、と。
口を開く前に目に入ったその姿に眉をひそめた。



「エッッッッッ!?  西宮さッッエッッッッ!?」


椅子から転げ落ちる勢いで驚き、バカでかい声を出した辻崎のせいで教室の目線が扉へと集中する。

ああもう、最悪だ、辻崎殺す。


「は?  西宮?  鶴長くんに何の用よ」

「橋本先輩の次は鶴長くんってこと?」


にわかに騒めき立った教室に、途端に居心地が悪くなる。