闇夜で鴉が鳴く。
鳴き声の数からして、一羽や二羽ではなさそうだ。
「チッ…うるせぇ鴉どもだ…死臭に誘われて集まってきやがったか」
ジルコーが舌打ちする。
…百禍の怨念渦巻く山。
その怨念はあまりに強力で、小動物程度ならばそれだけで絶命する。
その死臭に引かれて、死肉を漁りに鴉達が集まってくるのだ。
「修内太、大丈夫?」
私は修内太の方を振り返る。
四人の面子の中で、人間は修内太だけ。
こういう怨念や妖気に一番免疫がないのも修内太だけだ。
毒気にやられて体調を崩していないかと思ったのだが。
「大丈夫」
多少顔色は悪いものの、修内太は山道を歩く足取りもしっかりしていた。
薄い皮膜程度の障壁を張って、怨念による体力消耗を防いでいるらしい。
なかなか障壁の扱いも上手くなってきたようだ。
我が弟子ながら感心である。
ちなみにジルコー以外は、みんな修内太と同じ事をやっている。
ジルコーは生粋の人狼だ。
この程度の怨念や妖気ではびくともしない。
むしろ森林浴みたいなものかもしれない。
鳴き声の数からして、一羽や二羽ではなさそうだ。
「チッ…うるせぇ鴉どもだ…死臭に誘われて集まってきやがったか」
ジルコーが舌打ちする。
…百禍の怨念渦巻く山。
その怨念はあまりに強力で、小動物程度ならばそれだけで絶命する。
その死臭に引かれて、死肉を漁りに鴉達が集まってくるのだ。
「修内太、大丈夫?」
私は修内太の方を振り返る。
四人の面子の中で、人間は修内太だけ。
こういう怨念や妖気に一番免疫がないのも修内太だけだ。
毒気にやられて体調を崩していないかと思ったのだが。
「大丈夫」
多少顔色は悪いものの、修内太は山道を歩く足取りもしっかりしていた。
薄い皮膜程度の障壁を張って、怨念による体力消耗を防いでいるらしい。
なかなか障壁の扱いも上手くなってきたようだ。
我が弟子ながら感心である。
ちなみにジルコー以外は、みんな修内太と同じ事をやっている。
ジルコーは生粋の人狼だ。
この程度の怨念や妖気ではびくともしない。
むしろ森林浴みたいなものかもしれない。


