「卒業生、退場!」 そんな校長先生のいい声を後ろに、私たちはこの高校を卒業する。 泣いてる子や笑ってる子、めんどくさそうにしている子やさみしそうな子。 それぞれの想いを胸に抱えたまま歩き出す。 そして、先頭の1組の子が在校生の作る花道を半分ほど歩いたところだっただろうか。 突然成人してるであろう男性がスーツ姿に花束を持って入口、いや、今は出口になるだろう扉から勢いよく入ってきた。