「…なに。」

「桐島くんってさ何か…気づいてる?」


……。
なんと答えるのが正解なんだ?

…。


「何を?」

「っ!なら、いいんだ。」


…。
泣きそうな顔。
きっと本人も気付いてない。

胸がキュッとする。

なんでだ…

俺まで悲しい…


「あははっ!!
呼び止めてごめんよ!!
では!残りは頼んだ!」


!!!!!

泣きそうな顔を笑顔で覆い隠して…
そんなの…


「知ってるよ。」


なんで言ってしまったんだろう。

「え?」

きっとこれも暑さのせいだ。

“夏”のせいだ。