みほは歩道橋にさしかかる。




「なっ………んで!テストはちゃんと入れたのに!」




私は後ろで後をおい、気配を消してついていった。



歩道橋でぼーーーっと景色を眺めている。今すぐ殺したいけど、まだ。あと少し。




「…………………はぁ」





ザーーー、ザーーーと雨が降る中、みほのため息はとてもはっきりと聞こえた。






「帰ろっかな……」




みほが歩道橋の階段を降りようとした。










いまだ!





ぐいっと足を引っ張った。他の人からみたら足を滑らせたと思うだろう。だからラッキーなのだ。誰も幽霊の仕業だとか疑わないから。




「きゃっ?!」




みほがこちらを見た。



目があった…………気がした。





「みっ………みど」



ドシャッ




危なかった。怖くなってなにも言えなくなったなんて情けない。




ふぅ、と一息ついた後、私は心臓が飛び跳ねた。




「ゔぅっ………!み" と" り"……」



「?!」



殺し損ねた。やばい。




「みどりな…………んでし…しょ?」



「う、うわぁぁああ!!!!名前を呼ぶな!やめろ!」



私は石を持ってきて






みほの頭に思い切りぶつけた。




「ゔっ…!ぎゃぁああ!や" め" て"…!」




ズブブ……と石がみほの頭を降下していく。頭の骨がもうぐちゃぐちゃなのだろう。そしてみほが叫ぶことからそうとう痛いことが分かる。



でも




これで確実に死んだ。








「…………」






見つからない自信があったのに。




でもいいや。どうせみほは死んだ。ほかの人にバレることはない。





ヒヤヒヤする。スリル満点。