紘くんは光源氏サマ



「大丈夫だよ
そんなに緊張しなくても

僕に合わせてくれれば」


コクン


「よっしゃ
じゃあやるよ」


「藤壺の宮様、どうしてここに?」

え、?
私、これ、答えるの?
なんて、答えよう。。。


「わたくしが呼んだのですよ」

さっと奈々乃ちゃんが、
助け舟を出してくれた


「え、、?

葵の上、、?

どう、して、、」



「だって、わたくしと話してる時でも
いつも、
藤壺の宮様の、面影を探しているでしょう?
藤壺の宮様のことばかり、
考えているでしょう?

だったら、だったら、

源氏の君様には、
笑っていて、
ほしい、ので、、

幸せに、なって、
ほしいので、、

わたくしは、
退いたほうがよいのでは、
と思いまして」


途中、涙ぐみながらも
はっきりとそう告げた

私は、

奈々乃ちゃんの演技だってことも、
自分が藤壺の宮だってことも忘れて

彼女の境遇に、涙を流していた