日曜日、歩実さんの買い物に、彩葉を連れて一緒に行く事になった。


この辺では、比較的大きなデパートで、あまり行き慣れない俺は、備え付けのベンチで休んでばかり……


「何ヶ月なの?」

ウチの母親くらいだろうか、初老の体格の良い女性が、隣りに座り話しかけて来た。


「三ヶ月です」

「お母さん、待ってるの?泣かないで、偉いわね」

彩葉の手をとり、話しかけている。


日曜日のデパートで、小さな子供を連れて来ている親子。

知らない人が見れば、幸せな家族に見えるんだ……


俺は、その女性の言葉に気恥ずかしさを感じながら、悪い気はしなかった。