握りつぶした缶ビールを見ていると 自分の心が死んでいくような気持ちになって ため息をつく。 また、今日が昨日に変わっていくのに 変わらずに私はここにいる。 窓を見ると、雨が降っていた。 ふうちゃんが消えた日も 雨が降っていたっけ。 ふうちゃんは、死んだ。 あの日は朝から嫌な天気で ふうちゃんは雨が嫌いだった。 「雨が降ると、雨の音にかきけされて 大切なことがすべて消えていく気がするの」 ふうちゃんの言葉の意味は 未だによくわからない。