「あっ!! 飴、食べる?」
しばらく歩きまわって
飴を持っているのを思い出した。
「うんっ、ありがとー!」
差し出したイチゴ飴を
嬉しそうに受け取る葵本──…。
指先が触れるか触れないかで
ドキッとした──…。
ほんとイチゴ、好きだな──…。
俺も、イチゴみたいに葵本に好きになってほしい──…。
そう思った時だった──…。
「っ…ごめん、ちょっとお手洗い」
ふと目が合った葵本の表情は真っ赤で、そう言って少しの間、俺の前から立ち去った──…。
何で真っ赤なのか──…
葵本の表情が気になったけど、
"もっと笑ってほしい"──…
その一心で、さっきのUFOキャッチャーまで戻っていった──…。