──side苺──
恥ずかしい──。
また泣いちゃった──。
そんな恥ずかしさを隠すように、ハンカチで目を覆った。
優しい声が聞こえてきたかと思うと、携帯が震えた。
【あたしたち抜けるから、野上くんと楽しんでねっ♪】
春菜からのメールを何度も何度も見直した──。
───えっ?! 2人きり!?
顔を上げると、野上くんも携帯を見ている。
目が合った瞬間、状況を飲み込んだかのように苦笑いをし合った───。
ひとまず、映画館を出て
「ゲーセンでも行く?」と言った野上くんの誘いに頷いた。
映画館の近くにあるゲーセンまで、自転車を押して隣を歩く野上くん──。
触れ合うか触れ合わないかぐらいの距離でドキドキしている。

