なりゆきで、グループデート(?)ということになった。


駅前のレストランで、
ご飯を食べ終わった後、映画に行くことになった。


特に見たい映画が無かった俺たちは、葵本と古河に任せた。


見たい映画が決まっていたのか、券を買ってすぐに戻ってきて渡してくれた。


「──…これ。」

そう言って目が合ったかと思うと、少し俯き加減に渡してくれた葵本──…。


指が触れるか触れないかぐらいでドキドキしていた──…。


2人が選んだのは、恋愛映画。

中に入り、周りを見渡すとカップルばかりだった。


「じゃ、終わったら、またここでな。」

少し離れた席になった章吾に言われ、中央のドアを出たところで落ち合うことになった。


隣に座った葵本にドキドキして何も考えられなかった。


上映途中、横目で葵本を見ると目から何かが輝いていた。


───…泣いてる?


そんな葵本の姿を見て、戸惑いドキッとした──…。


感動して泣いてる葵本を見て、優しい女の子なんだなぁと思った。