──side壱──

「なんか食う?」

「そうだなー」


時間は、昼近く。

駅の柱に、もたれ掛かって目の前に居る章吾と喋っていた。


日曜日──。

部活が休みだということで章吾に誘われて遊ぶことになった。


「お、来た来たっ!!」

そう言って、違う方向へ手を振っている。


──誰に言ってんだ?

そう思って、柱から身体を離し、章吾の視線の先を見る。


───え? 何で?


古河の姿が見えたかと思うと、隣に居る葵本と目が合ってドキッとした──。