甘美なキョウダイ






だから美優は、さっき悠斗が自分にしたように悠斗のシャツの裾に腕を伸ばした。



作業重視のただのTシャツは、すんなりと服の中に美優の手の侵入を許す。



悠斗はやんわりと身を引いて美優の手から逃れようとするが、美優は諦めることはせず緩いキスを受けながらも腕を更に伸ばした。



悠斗はここでこれ以上のことをするつもりはなく、いつにも増して積極的な美優に目を小さく見開くが、美優の手首を掴んで美優の思い通りにはさせなかった。




可愛い可愛い美優にベルトにまで手を伸ばされたら流石にね、と思いつつも不満げに声を漏らした美優の唇から離れた。




「……明日は家に帰るから」




そう言った悠斗の言葉に美優は不機嫌そうに顔を歪める。けれどその瞳は不安気に揺れていた。



自分の唾液で濡れている美優の唇を手で拭ってやり、悠斗はベッドに腰掛け美優を自分の膝の間に座らせた。



美優は大人しくそこに納まり、脇から通された悠斗の腕を取って自分の指と悠斗の指を絡める。




「今日でも明日でも変わらないじゃない」


「流石に一日ぐらいは泊まっておかないと、優香さんが面倒でしょう?」


「……あの人は気にしないわ」


「さっき釘を刺されたばかりだからね」



悠斗の言葉に美優は怪訝な顔をし、いつまで経ってもあの人は変わらないとため息を吐いた。