その状態のまま車を走らすこと30分ほどで、とある綺麗な高級マンションの地下駐車場に悠斗は車を止めた。



美優はそっと目を開け車から出て直ぐに悠斗の腕にしがみ付くように寄り添う。




悠斗はそれを咎めるどころか、むしろ優しく美優の頭を撫でエレベーターで悠斗と___美優が住んでいる最上階にある部屋へと向かった。



悠斗は部屋の前に付くとカードキーでオートロックを開け、美優と共に部屋に上がる。




そしてそれを見計らったかのように美優が悠斗に抱き着いた。




「…私はあそこに住まなければダメなの?」




苦し気に吐き出された言葉に悠斗も眉を下げ、哀しんでいる自分の可愛い可愛い妹を抱き上げた。



美優は悠斗の首に手を回し悠斗にソファーに運ばれてもその手を離さず悠斗に寄り添う。




「……悠斗。お兄ちゃん。お兄様。…何て呼ぼうが私だけの悠斗だったのに」




今にも泣き出しそうな顔で美優は悠斗に訴えかけ、悠斗はそんな美優の頭を丁寧に撫でた。