一つ深呼吸をし
井内さんの背中に向けた
『結婚なんて、今は考えられません。結婚前提は無理でも、私とお向き合いしていただけませんか?』
ビクッとした井内さんの背中
その反応に驚いて
回している手を離してしまった
ゆっくりと振り返る井内さんの顔は
少しばかり赤い気がした
クイッと眼鏡をあげ
私の目を見てくる
「私の聞き間違いでしょうか?」
そう聞いてきた井内さんの手が
震えているようにも見てる
その手を取り、ぎゅっと握る
『井内さん、好きです。私とお付き合いしてください』
もっと井内さんの事が知りたい
いろんな顔がみたい
いろんな場所に一緒に行きたい
次から次へと欲が出てくる
「わかりました。貴方の条件に合うのは俺だけですから、必ず貴方が俺と結婚したくなるようにします」
そう宣言されたがなにも返さない
だって、その通りだから…

