私が知っている秀人は…秀人では無かった
「相澤…武史?」
初めて見た名前に驚いた
秀人を見てみると
ただ下を向き、小刻みにブルブルと震えていた
秀人は、…秀人ではなく
相澤武史という名前だった
そして、最悪な文字が見えた
【既婚者】
妻がいて、
子供が二人もいて…
3人の写真がプリントアウトされている
笑顔で、幸せそうで
子供が絵を描いた画用紙を持っていて
その絵は似顔絵だろう
パパ、という文字が書かれていた
地方に暮らしていた5年前
単身赴任で本社勤務になった秀人…いや、相澤武史は一人寂しく、家族と離れて生活をする中で、癒しを求めていた
家族のため、と言いつつ
その場限りの相手をはけ口にしていた
守りたいと思っていた家族より
自分の欲を優先にしてしまい
いつの間にか
愛を誓ったはずの指輪も
外してしまっていた

