君のウソに涙のキス



ご飯を食べてると、ドアがガチャと開いた。


「ただいま〜」

そういいながら、鼻歌を歌ってリビングのドアを開けるのは、お父さん。
私たちの姿を見て、目を開く。


「ああ、今日は賑やかだな。
柊くん、久しぶりだなぁ」


そう言って、お父さんは、嬉しそうに柊ちゃんのことを見て頭をポンッとした。


「久しぶりっす。」

柊ちゃんは、軽く頭を下げると、ご飯を
食べ始めた。



「んーっ、いつ来てもみっちゃんのご飯は
美味しい〜っ!!」


美咲は、ほっぺを抑えながらそういう。
私は、そんな美咲を横目で見ながらおかずの回鍋肉を口に入れた。



「あ、そういえば、妃莉、ちゃんと
学校生活できてる?」


「あー、大丈夫ですよ。
人気者の彼氏もいるし、ね〜」


美咲のその言葉に、私は、食べていたものを
口につまらせた。


「……あら?それ、どういうことかしら?」

お母さんは、箸を持ったまんま、笑顔で
私の方を見た。


チラッと、美咲の顔を見ると、ニヒヒっと
笑っていて、小声で、「お母さんには秘密にしちゃダメじゃないっ」と言ってきた。