ー晴sideー



ある日の放課後、俺は、みんなとババ抜きをしていた。


友達を待ってる間に、暇だから、と言って
やり始めたババ抜き。



「あ、じゃあ、さ、負けた奴が、くじを引いて そいつに嘘告するっていうのやんねえ?」


「ははっ、馬鹿だろお前」


友達が言った言葉を、みんな馬鹿にした。
そりゃあ、俺だって、自分がなるとは思ってないから。



そして、10分後ー



「は?嘘だろ、俺が負けた……?」


「はぁ?晴かよー。晴だったら、女子は、
みんなOKすんに決まってんだろ」


みんなから、そんなことを言われる。


まあ、家族全員、顔よし、スタイルよしだから、正直言って、モテる。


だから、振られたことはないし、告白されたら、それなりに付き合ってきた。



だから、こんなもん、簡単だろ。



そう思って、女子の名前が書かれたくじを引くと、誰かが書いた汚い字で見たことない名前が書いてあった。




"相原 妃莉"



……あいはら、ひまり?


そんなやついたか?


「うわー、相原さんかよ!」

「あいつ、意外とよーく見れば可愛いんだよなぁ。ま、晴なら行けんじゃねえの?」


ふーん。ま、今回も手っ取り早く終わらせるか。


「振られたら、お前の負けな?」



相原 妃莉。どんな奴だか。



俺は、楽しみにして、次の日を待った。