私の手は小刻みに震えてる。 貰ってくれるよね? いつもみたいにさ。 「……え?」 だけど、そんな考えは甘かったみたい。 椎名くんの手はスルリと私を通り過ぎて、ドアノブへと行ってしまった。 ガチャリ ドアの向こうに消えていく椎名くん。 私のクッキーは…… わたしの作ったお菓子は…… 音も無いまま、 初めて椎名くんに拒まれたのだった。