「やっぱお盆と言えば墓参りだろ」
「うーん・・・まぁ、そうだね」
「おまえは?墓参りするんだろ?」
「うん」
「俺も一緒に行っていい?」
「えっ?でも天野くん、実家に帰るんでしょ」
「ああ。13日からな。で、14日にこっちに戻る」
「1泊だけ?短くない?」
「そんなもんだって」
「そーお?」
「別に両親とは仲悪いわけじゃないし、すげー遠くに住んでるからなかなか会えないって距離でもないんだが、この年になれば盆と正月くらいしか会いに行かねえって。それに俺、独身に戻ったから、なおさらそんなもんかもな」
「ふぅん・・・」
「両親ともに元気だしな。俺、親離れしてるってことなんだよ」
「そっか」
「だからー、織江ちゃんに可愛く“ダメェ”って言われても、俺行きたいんだけど」
「あぁ・・・じゃあ、ぅん」

というわけで、私たちは15日の朝、笹川家のお墓参りに行くことになった。