いつも視線は君ひとり


──ガチャ


「昴…?」


そう聞こえて振り返ると向澤がいた。


えっ…?


何でここに…?


「えっと…何でここにいるの…?」


向澤もそう思ったそうで、そう問いかけて来た。


しかし、そこで俺はハッとした。


このまま話してはいけないと。


だってこのままじゃ向澤がきっと悲しむ…。


こんな俺と話したって…。


早く立ち去らなきゃだめだ。


俺はドアの方に向かって歩き、向澤の横を通り過ぎようとした。


これでほんとにいいんだ…よな。


丁度向澤の横を通った時、左手の付け根に暖かさを感じた。