「これ…」

あたしの手のひらに置かれた振動止めを見て、中津先輩が呟く。


「…もしかして、俺があげたやつ…?」

「は…はい」

「…なんだよ。そんな大したもんでもねぇのに、あんなに必死に探してっ…」

「そんなことないですっ…!これは、…あたしの宝物なんです!」


中津先輩からもらった、世界にたった一つの宝物…。



「…中津先輩。本当に、ありがとうございました…!」