「…あっ、せ…先輩!優勝、おめでとうございます…!」

「おう、サンキュー!」


あたしってば、なんでその言葉が一番に出てこなかったんだろうっ…。


「決勝戦の柴高の選手は手強くて、一瞬負けるかと思ったよ〜」

「…そんなことありません!最後まで先輩が押してましたし」


こんなこと、クミの前で言ったら怒られそうだけど…。


でも本当に、試合の流れは一方的と言っていいほど、中津先輩に向いていた。