上手く……笑えてたかな?



職員室に向かいながら、
必死にさっきの自分を思い出す。



大丈夫、バレてない。
もう……大丈夫だよね。




「雨美ちゃん!」



職員室に向かう廊下を歩いていると、ふいに名前を呼ばれた。



振り返った先にいたのは…-




「洋平……先輩」



「よかった。教室に行ったら亜由が雨美ちゃんは先生に呼ばれたって言うから急いで追って来たんだ」



「そうですか」


「あの、さ……」



「本当ですよ」



「え?」



「光とは別れました。あたしが一方的に振ったんです」




目を見開いて息を呑む洋平先輩。あたしが平然と言うことに驚いたんだと思う。だけど、このくらい装わないと洋平先輩はきっと見抜いてしまう。



あたしの本当の気持ちに……。


それだけは、
決して許されない。