「321…号室…」
「そうそう!!あの佐藤の住処ですよー。
……んじゃ、あとは頑張って。
ばいばーーい」
「えぇ……玲ちゃん…っ」
ヒラヒラ〜と手を振って、ものすごいスピードで帰っていく玲ちゃんの背中を見る。
そんな……どうしよう。
でも、やると決めたらやらなきゃだし......
───ピーンポーン......
「おしちゃったぁぁぁ......」
自分でインターフォン押したのにパニックになるあたしは相当重症だ。
「......はい。」
「ひぃぃっ」
ガチャリ、と音を立ててドアが開き、中から出てきたのは当然佐藤くん。
それに失礼な奇声をあげるあたし。

