し、紳士だ……
こんな優しい彼に、あたしなんかが恋心を抱いちゃっていいものなんでしょうか……
あぁ、ここに来てまたネガティブ発動!
もう!!来ちゃったものは仕方ない!!
どっちにしろ、告白はするんだから!!
震える唇で、大きく息を吸う。
吸った気満載だけど、実際は吸えてないと思う。
「……っ、好きなんです!!!」
はぁ、はぁ……とあたしの息づかいが響く廊下。
結構大きめな声だったから、きっとお隣さんとかには普通に聞こえてただろう。
でも、元から声が小さくてネガティブなあたしには、ここまでしないと本気さが佐藤くんに伝わらないって思ったから……
床に向けていた視線を上げて佐藤くんを見る。
そして、他の女の子たちと同じ反応をしないことを祈る。
佐藤くんは真顔。
真顔であたしの顔を見ている。

