「有馬は高校の先生になりたかったの?」


「ん? あぁ、そうだな」


「じゃぁ、夢を見つけたのはこの学校に入ってから?」


「あぁ、そうだ。国語の久安先生っていう男の先生がさ、すげーいい人なんだ!」


「久安先生! 確かにいい先生だよな」


裕が有馬の言葉に賛同した。


「だよな! 授業外でもよくしてくれたんだ」


「それが有馬の憧れの先生なんだね」


「あぁ。入学したての頃勉強なんてしなくてずっとサボってたんだ。その時にいつも気にかけてくれてたいのが担任じゃなくて久安先生だったんだ」


有馬が話せば話すほど、教室内に生徒の姿が増えていく。


もちろん、これは有馬が作り出しているイメージだ。


有馬なら自分の力で夢を叶える事ができる。


「宮田先生! 質問です」


そう言って手を上げると、有馬の服装が制服からスーツへと変化した。