「当たり前じゃん。唯人はチホのことが好きなんだから」


『なに言ってんの?』という言葉を付け加えて、大空がそう言った。


「な、なに言ってんの!?」


思わず、大空の言葉をそのままオウム返しした。


驚きすぎて目が白黒しているのが自分でもわかった。


「慌てすぎ」


笑い声を上げてそう突っ込んでくる裕。


これじゃぁあたしも唯人が好きだと言っているようなものだ。


あたしは大きな咳払いを1つして「大空は告白すれば成仏するってことでいいんだよね!?」と、話題を無理やり元に戻した。


「うん、そういうこと!」


大空が大きく頷く。


「わかった。それくらいならあたしでも十分お手伝いできると思うけど、相手は誰?」


「えぇ、恥ずかしいよ!」


再び顔を赤くしてそう言う大空。


「恥ずかしがってちゃ、相手を探す事もできないでしょ」


そう言うと、大空はあたしに耳を寄せてきた。


至近距離に少しだけ心臓がドキドキしてくるのがわかる。


でも、昔みたいに嫌な感じはしなかった。


どちらかというと心地よく感じられる緊張感だった。