唯人にそう言われて「成仏する順番?」と、聞き返した。


ほら、こんなにもすんなり会話をすることができる。


ここには生きている男子生徒が1人しかいない、と言う事も影響しているのかもしれない。


普段なら感じている恐怖心も不思議と湧いてこなかった。


「あぁ。5人もいたら同時に成仏ってのはさすがに難しいだろ?」


「うん、そうだね。少なくても5日はかかると思ってる」


「だから、俺たちで先に順番を決めておいたんだ。順番が回ってきたらチホに迷惑をかけないように成仏するようにな」


それはありがたい事だった。


見習い中のあたしにとっては、ちょっとしたいざこざでもパニックの原因になってしまう。


「ごめんね、あたしのために気を使わせちゃって」


「いいっていいって、気にしないでよ!」


元気いっぱいにそう言ったのは大空だった。


「で、今日成仏するのはコイツだ」


唯人がそう言い、大空を指さした。


大空はなぜか照れくさそうに「へへっ」と笑っている。


「いいの?」


あたしは大空へそう聞いた。