あたしが意地になったら相手に意地になったようで、立て続けに不快な音が鳴り響く。


いっそ耳を塞いでおこうか。


そう考えるけれど、耳を塞いだらアイスが食べられない事に気が付いて、あたしはそのまま謝意ㇺの音を聞いているはめになった。


ピンポンピンポーン。


アイスはあとひと口で食べ終わってしまう。


あたしがアイスを食べ終わるまでずっと玄関先でチャイムを鳴らし続けるなんて、なかなかの強者だ。


外はさぞかし暑いだろうに。


あたしはアイスを食べ終えて棒を見た。


「あ、当たりだ!」


棒の先に印刷されている<あたり! もう一本>と書かれている文字に思わずガッツポーズをする。


こういう些細な幸せが好……ピンポーン。


アイス棒が当たった幸せは、チャイムによってかき消されてしまった。


「もう、なによ!!」