彼らは必死で出口へと手を伸ばした。


しかしその足は折れ、皮膚は剥がれ落ちている。


そんな状況で出口に向かう事なんてできなかった。


『頑張れ! きっと大丈夫だ!』


クラブ員同士でそう声を掛け合っていたが、炎はあっという間に彼らの体を包み込み、そしてバスは大爆発を起こしたのだった。


「で、即死ってわけ」


何事もなかったかのようにそう言ったのは大空だった。


さっきからニコニコとほほ笑みながら自分たちが死んだ経緯を教えてくれている。


「そうだったんだ。辛かったね」


あたしがそう言うと、大空は左右に首を振って「死んだら怪我とか治ったし、みんないるから平気なんだよね」と、答えた。