あたしは改めて幽霊たち5人を見回した。


唯人が言っていた通り、健康的で元気な幽霊という言葉がしっくりとはまる。


ともあれ、自分だけ自己紹介をしないというのは気まずい。


あたしは姿勢を正して軽く咳払いをした。


「武田チホです。これからみなさまの成仏のお手伝いをさせていただく事になりました。どうぞ、よろしくお願いします!」


そう言うと、6人から大きな拍手が巻き起こった。


なんだか照れちゃうな。


こうして、あたしの霊媒師としての初仕事はとても穏やかに幕を開けたのだった。