いつの間にかあたしもそれが当たり前になっていたから、住田唯人みたいに真っ直ぐにあたしを見て来る男性に少し驚いてしまったのだ。


「いいやつ……なのかもしれないけどね」


あたしは独り言と荷造りを再開した。


除霊をするには動きやすいズボンがいい。


ジーンズよりスキニー。


Tシャツに、上着も。


あ、このワンピース可愛いんだよね。


持って行こうかな。


「って、違うっつーの!!」


あたしは慌ててワンピースを放り投げた。


ピンク色のワンピースがひらりと舞って落下していく。


「除霊に行くのに可愛さなんて必要なし!!」


あたしは外の景色を眺めた。


相変わらず夏真っ盛りで青い空に入道雲が空高く上がって行っているように見える。


セミの鳴き声はうるさくて、『夏だ! 夏だ!』と叫んでいるように聞こえて来る。