「それは……何度か、チホの家に行ったから」


「へ!?」


あたしは驚きのあまり声が裏返ってしまった。


和があたしの家に?


そんなのちっとも気がつかなかった。


「謝りたいと思ってたんだよ!」


和が大きな声でそう言った。


「謝るって……あたしに?」


「チホ以外に誰がいるんだよ」


「あたしに振られたと思い込んで、翌日からイジメの中心にいたのに?」


あたしはそう聞きながら和の顔を覗き込んだ。


和は表情を歪め「だから、それをだな……」と、口ごもった。


それでもあたしの手は和にしっかりと握られたままだ。