和を起こさないように気を付けて教室を出ると、あたしたちは校舎の外へと来ていた。
夜の冷たい風が吹いていて、半そでで出て来たことをすぐに後悔した。
自分の二の腕をさすりながら満天の星空の下を歩く。
恋人同士ならそっと寄り添ったりするところだろう。
「和のこと、どう思ってる?」
桜の木の下までやって来た所で、唯人がそう聞いて来た。
「へ?」
あたしは驚いて目を見開き、口をポカンと開けてそう聞き返した。
「和のことが好きか?」
単刀直入にそう聞いてくる唯人にあたしは慌てて左右に首を振った。
「好きとかそんな、わかんないよ」
「わかんないってなんだよ。自分の気持ちだろ」
唯人は怒ったようにそう言う。
けれど、わからないものはわからない。
男子は苦手だし、中学校以来好きになった人もいない。
好きという感情がどういうものなのか、忘れてしまっているのかもしれなかった。
「和のことは……友達、だと思う」
あたしは必死に言葉を探してそう言った。
夜の冷たい風が吹いていて、半そでで出て来たことをすぐに後悔した。
自分の二の腕をさすりながら満天の星空の下を歩く。
恋人同士ならそっと寄り添ったりするところだろう。
「和のこと、どう思ってる?」
桜の木の下までやって来た所で、唯人がそう聞いて来た。
「へ?」
あたしは驚いて目を見開き、口をポカンと開けてそう聞き返した。
「和のことが好きか?」
単刀直入にそう聞いてくる唯人にあたしは慌てて左右に首を振った。
「好きとかそんな、わかんないよ」
「わかんないってなんだよ。自分の気持ちだろ」
唯人は怒ったようにそう言う。
けれど、わからないものはわからない。
男子は苦手だし、中学校以来好きになった人もいない。
好きという感情がどういうものなのか、忘れてしまっているのかもしれなかった。
「和のことは……友達、だと思う」
あたしは必死に言葉を探してそう言った。