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教室に朝日が差し込み、そのまぶしさで目を覚ました。


パチッと目を開けた瞬間唯人と視線がぶつかった。


音が出そうなその視線に、小さく悲鳴を上げて飛び起きた。


「わ、悪い。驚かせるつもりじゃなかったんだ」


慌ててそう言う唯人にあたしは肩で呼吸を整えた。


昨日は教室で眠ったことをようやく思い出す。


体は痛いし、唯人に寝顔を見られてしまった。


気恥ずかしさから、あたしは唯人を睨み付けた。


「ずっと寝顔を見てたの?」


「ずっとってわけじゃないけど」


「見てたの?」


「……うん」


唯人は観念したようにそう言って頷いた。


「もう!」


あたしは枕を唯人へ向かって投げつけた。


枕は唯人まで届かず、そのまま床に落ちてしまった。


「ごめん、あまりにも可愛かったから」


「な、なに言ってんの!?」