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グラウンドでは和と裕がかけっこをして遊んでいた。


高校3年生だというのに、本当に子供っぽい。


だけどその様子はすごくほほ笑ましくて、見ているだけで心が柔らかくなっていく。


「花火しようよ!」 


あたしは買い物袋を見せてそう声をかけた。


「やった、花火だ!」


裕が一番に駆け寄って来る。


本当に、裕と翔は似たもの同士だ。


袋を開けると、さっそく2人で取り合いを始めている。


空を見上げると満点の星が輝いていた。


素敵な夜だ。


「チホ」


名前を呼ばれて視線を戻すと、和があたしに花火を差し出していた。


あたしはおずおずとそれを受け取る。


「3色花火だって。色が変わるんだ」


「……そうなんだ」


「チホ、また表情が硬くなってるぞ」


唯人にそう言われて、あたしは自分の頬に触れた。