それから翔はそのまま川に入って泳ぎ始めていた。


心残りの一つに川遊びが入っていたようだ。


川に入って子供のようにはしゃぐ翔と和と裕の3人。


バシャバシャと跳ねあげられて水しぶきがとても涼しげだ。


「チホも泳いでくればいいぞ?」


唯人にそう言われて「嫌だよ。服がぬれるでしょ」と、返事をした。


「着替えがあるじゃないか」


「着替えが足りなくなったらどうするの。唯人こそ、一緒に泳ぎたいんじゃないの?」


そう言うと、唯人ははしゃいでいる3人へ視線を向けた。


水面の輝きが眩しくて目を細めている。


「チホをここに置いてはいけないだろ」


「あたしなら大丈夫だよ。行ってきなよ」


「それならやっぱり、チホも一緒に行こう」


唯人がそう言い、こちらを見た。


あたしは咄嗟に視線をそらせていた。


唯人の大きくて吸い込まれそうな瞳を見つめるのは、まだ慣れていない。