ある夜 目覚めたら 
CDジャケットから彼が現れて 
部屋の隅々 見渡して ギターを探してた 
友人が下でクラクションを鳴らし 
年代物のギターを 私に預けていった 
私が彼に渡すと チューニングをして 
いつもの声で 
いつもの笑顔で 
いつものオリジナルソングを歌った 

鏡に映った彼は 
ジャケットの頃のように若返っていて 
私もやはり若返っていたが 
猫背は直らなかった 
デートというものをした事が無いが 
これはまさにデートなのか? 
そんな風に思った 
よだれを垂らして 
井の頭線 
吉祥寺で目覚めるまでは 

ヘッドフォンの中では 
夢が現実になっていて 
財布の中身と引き換えに 
私は夢を買う