ふと、外を見ると、 季節はもう、秋だ。 お兄ちゃんと出会ってから、もう何ヵ月も経ったんだ。 なんだか信じられない。 でも、毎日が楽しくて楽しくて…。 あっという間の数ヵ月だった。 どうしてかな? お兄ちゃんの事ばっかり考えてしまう。 お兄ちゃんなのに お兄ちゃんなのに あの笑顔にドキッとしてしまうんだ。 音楽室から吹奏楽部の音が聞こえてきた。 なんだが悲しかった。 「加藤。お待たせ」 後ろから低い声が聞こえた。