「ひーかーるっっ! 顔死んでるよ! 大丈夫かぁーっっ?」 「え……。 あ、まぁ……。」 嘘。 大丈夫な訳ない。 私はお兄ちゃんの頭を撫でた時のドキドキが、 いまだに何なのか、 よく分からずにいたのだ。 屋良くんに感じるドキドキは、甘い甘いドキドキ。 ドキドキと言うよりは、 トクン…って感じ。 一方、お兄ちゃんに感じるドキドキは、 不安で痛くて悲しくて… 切ないドキドキ。 他の言葉で言うならば、 キュゥン…だろうか。