長電話が終わってしまい、心なしか、寂しさを感じる。 ま、しょうがないか。 ゆめかも忙しいもんね… ─ガチャン─ 私は受話器を置いた。 「ひかる。」 甘い声が聞こえた。 「お兄ちゃん…」 「ひかる。忘れてないよな?」 「え…」 嫌な予感がする。 "キース" 彼はいつかのように、私の耳元で囁いた。 熱を帯びた風が、私の耳をくすぐる。